「空の心」を育む祈り

「空の心」とは、何ごとにもとらわれず、無心に生きる自由な心の菩提心。
「空」を見上げてください。それが叶わないなら、心の中に「空」を想ってください。
「空」は限りない広がりを抱くものです。
どこまでも妨げるものがなく、どこまでも高く、すべてを超えて広がりゆくもの。
現在の中に生きている私たちは心をどこかにとどめ何かに固着させがちです。
区分けし、限定して考えることを常としています。
上手く区切ることのできる人が優れた能力の持ち主であると考えられたりします。
左と右に分け上と下を分ける力世界の一画に自分の場所を区切ることのできる力を人間の力量として見るということです。
人の心もその区分けに翻弄され、こだわります。
こだわっているとき、往々にして、その外に広がっている世界は見えなくなります。
ただその区分けにとらわれ、人生の一大事と思ってしまうのです。
「空」は、そんな人間の世界のすべてを超えて広がってゆきます。
区分けに必死な人間の意識の底を抜いてそれを超える広がりを私たちに見せてくれるのです。
その広がりが本当のいのちを呼びかけているのです。
どこまでも自由無碍に広がる「空」に、いつも、あなたの心を重ね合わせてください。

(祈りの言葉)
自らがつくり出しているこだわりと差別に訣別するために「空」の広がりを感じさせてください。
「空」の自由さを味わわせてください。
何の障害もなく澄みきった大空にわたくしを托身させてください。
わたくしは大空をはばたくことを願っています。
おおらかで自由なわたくし自身を取り戻したいのです。
わたくしは、「空」のごとき自由無碍な心を育みます。
何ごとにもとらわれず、無心に生きることができるようにわたくしを導いてください。

「祈りのみち」(高橋佳子著)より