恩徳に報いる

戴恩不知恩  如樹鳥枯枝
蒙徳不思徳  如野鹿損草

恩を戴ひて恩を知らざるは樹の鳥の枝を枯らすが如し
徳を蒙(かふむ)つて徳を思はざるは野の鹿の草を損ずるが如し

恩を受けたのに、その恩に感謝しないのなら、樹によって実を食べたり、休んだりしている鳥が、小さい実を取ったり葉を食べ尽くしたりして枯らすのと同じようなものです。
徳を受けながら感じないのなら、野の草を食い荒らして明日からの食べ物に苦しむ鹿と同じようなものです。
これは、童子教の言葉で、世の為、人の為に尽くしていけば、廻り廻って我が身に帰るのです。それが人としての正しい生き方という教えなのでしょう。
「情けは人のためならず、めぐりめぐって我が身に還る」