配当所得の損益通算と扶養控除等

平成21年分の所得税確定申告から、「上場株式等に係る配当所得」と「株式等の譲渡損失及び過去3年以内に生じた繰越損失」が通算することができるようになりました。
株式の売買により損をされた方は、上場株式等の配当所得について申告分離課税を選択することで、上場株式等の配当金から源泉徴収された所得税が還付されます。
この通算制度を適用した場合の配偶者控除や扶養控除の判定については、上場株式等の配当所得と株式等の譲渡損失の損益通算後の所得をもって控除対象の判定をします。
(設 例)
扶養控除判定対象者の所得が、上場株式等の配当所得 95万円 、株式等の譲渡損失 △80万円の場合、通算後の所得金額が15万円となり、所得金額が38万円を超えないため、配偶者控除や扶養控除が受けられることになります。
①通算後の所得 95万円-80万円=15万円
②控除の判定となる合計所得金額 15万円 ≦ 38万円
一方、配偶者や扶養親族が、その年の上場株式等の配当所得と過去から繰り越してきた株式等の損失との通算をした場合、配偶者控除や扶養控除の判定については、株式等の繰越損失の損益通算前の配当所得で判定することになります。
(設 例)
扶養控除判定対象者の所得が、上場株式等の配当所得 95万円 、株式等の譲渡損失 △80万円の場合、通算後の所得金額が15万円となりますが、株式等の繰越損失の損益通算前の所得金額が38万円(95万円)を超えるため、配偶者控除や扶養控除が受けられません。
①通算後の所得 95万円-80万円=15万円