六行

「六行」とは、人として模範となる人物の六つの行いを示したもので、1788(天明8)年8月、会津藩主松平容頌が、家老田中玄宰の建議から発布したものです。

一、善く父母に孝なる者
 大いに、父や母に孝行する者。

二、善く兄に事へ善く弟を愛し、長を敬し幼を恵む者
 大いに、父や母の言うことを聞き、兄弟仲良くし、年上の人を尊敬し、幼い者をかわいがる者。

三、善く家内及び親族に和睦なる者
 大いに、家の中、親類縁者の人たちと仲良くできる者。

四、善く外親に至るまでを親み、本を忘れざる者
 大いに、仲間をつくり、お互いに仲良くするが、付き合いのけじめを忘れない者。

五、友に信ありて人に任せられ、其のことを担当して久きに耐ふる者
 友人から信頼され、自分が仕事を任され、しかもその仕事を長いこと担当できる者。

六、親族朋友に災厄疾病貧窮等あれば、厚く之を救恤すること、己の憂に逢ふが如くする者
 親類縁者の人たちや友人が災難や病気にかかり、あるいはお金がなくて困っている時に自分のことのように心配し、お金や品物を差し出すことができる者。