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相続時精算課税制度とは?押さえるべきポイントや利用すべきケースを解説
一般的に生前贈与の手段として想像されるのは、暦年贈与を用いたものです。
しかし、場合によっては、相続時精算課税制度を用いた方がメリットが大きくなる場合もあります。
本記事では、相続時精算課税制度を利用するうえで押さえるべきポイントと制度を利用すべきケースについて解説します。
相続時精算課税制度の押さえるべきポイント
相続時精算課税制度を利用する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
ポイント①非課税枠
相続時精算課税制度を選択すると、累計で2500万円までの贈与について、贈与税が非課税となります。
1度で使い切る必要はなく、複数年にわたって贈与を続ける場合でも、累計額が2500万円に達するまでは贈与税がかかりません。
ただし、相続が発生したタイミングで、それまでの贈与額と相続財産を合算して相続税を精算する必要があります。
ポイント②基礎控除枠
2024年の税制改正により、相続時精算課税制度に年間110万円の基礎控除が新設されました。
累計2500万円の特別控除とは別に、毎年110万円までの贈与であれば、贈与税がかからず、さらに相続発生時の持ち戻しも不要となります。
基礎控除額内の贈与を継続的に行うことで、将来の相続税負担を軽減することができます。
ポイント③贈与税率
累計の贈与額が2500万円を超えた場合、その超えた部分に対して一律20%の贈与税が課されます。
通常の暦年贈与では、金額が大きくなるほど税率が最大55%まで上がりますが、本制度では一律20%となる点が特徴です。
贈与時に支払った20%の税金は、相続発生時に相続税額から差し引くことができます。
ポイント④制度の対象者
制度を利用できるのは、贈与をした年の1月1日時点で60歳以上の父母または祖父母と、18歳以上の子または孫に限られます。
親族間であっても、年齢要件を満たさない場合や、兄弟間、叔父・叔母から甥・姪への贈与などには適用できない点に注意しましょう。
ポイント⑤税務署への申告
相続時精算課税制度の利用を開始するためには、最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、税務署へ相続時精算課税選択届出書を提出する必要があります。
ポイント⑥注意点
相続時精算課税制度を利用する際の注意点として、1度でも本制度を選択すると、途中で暦年贈与に戻れないことが挙げられます。
また、相続税精算課税制度で贈与された土地には、小規模宅地等の特例を適用できなくなる場合もあるため、利用の際は慎重な検討が求められます。
相続時精算課税制度を使うべき人とは
個別の資産状況や家族構成により、相続時精算課税制度によって受けられる恩恵は異なります。
以下で、相続時精算課税制度の利用が推奨されるケースについて確認していきましょう。
ケース①早めに子や孫に財産を継がせたい
子が起業する際の資金や、孫の教育資金、住宅購入資金など、今すぐまとまった現金が必要な場合に、相続時精算課税制度は有効です。
通常の贈与であれば多額の税金がかかる2500万円までの資産を、その時点では無税で渡すことができます。
早い段階で資産を移転することで、子や孫がその資金を活用して自立したり、資産形成を行ったりする時間を生み出すことが可能です。
ケース②収益不動産を所有している
賃貸マンションなどの収益不動産を所有している場合、その物件を早めに贈与することで、将来の相続税対策につながります。
贈与した後の家賃収入は受贈者のものとなるため、親の代でさらに現預金が積み上がるのを防ぎ、相続財産の膨張を抑えられます。
また、相続税は贈与時の時価で計算されるため、将来的に価値が上がると予想される土地などを早めに移転しておくと、さらなる節税メリットが期待できます。
ケース③相続財産の総額が膨大
相続財産が特に多く、相続税率が20%を超えると予想される世帯では、相続時精算課税制度における一律20%の贈与税率が効果を発揮します。
相続を待たずに20%の納税で財産を移転しておくことで、将来的に高い相続税率が適用されるのを回避できる可能性があります。
相続時に精算は行われますが、贈与時の価格で評価が固定されるため、資産価値の上昇が見込まれる場合は、結果としてトータルの税負担を低く抑えることができる場合もあります。
まとめ
相続時精算課税制度は、2500万円の特別控除と年間110万円の基礎控除を組み合わせることで、柔軟な資産承継を実現できる制度です。
将来の相続税とあわせて考える必要があるため、短期的な節税だけでなく、長期的なシミュレーションが重要な制度と言えます。
自身の資産構成において本制度を選択すべきか判断したい際や、最新の税制改正に基づいた贈与プランを策定したい際は、相続実務の実績が豊富な税理士へ相談することをおすすめします。
文責:
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- 税理士 天池 健治
- 天池 健治 税理士のプロフィール
- 税理士 / 証券アナリスト / 宅建士 / 公認コンサルタント







