平成25年度 所得税の改正事項

住宅関連

1.住宅借入金等特別控除(措法41、41の2、41の2の2)について、次のとおり改正が行われました。
(1)適用対象となる認定低炭素住宅の範囲に、都市の低炭素化の促進に関する法律の規定により低炭素建築物とみなされる特定建築物に該当する家屋で一定のものが加えられました(措法41⑩)。
《適用関係》 この改正は、平成25年6月1日以後に自己の居住の用に供する特定建築物について適用されます(改正法附則54②)。
(2)住宅の取得等をして居住の用に供した居住者が、その居住の用に供した年に勤務先からの転任の命令等やむを得ない事由により転居した場合における再居住に係る特例について、その居住の用に供した年の12月31日までの間に再び居住の用に供した場合が、特例の対象に加えられました(措法41○21)。
《適用関係》 この改正は、平成25年1月1日以後に自己の居住の用に供しなくなった場合について適用されます(改正法附則54③)。
2.住宅特定改修特別税額控除(措法41の19の3)について、適用期限が平成29年12月31日まで5年延長されるとともに、次のとおり改正が行われました。
(1) 特定改修工事をして平成25年から平成29年までの間に居住の用に供した場合の改修工事限度額及び控除率等が次のとおりとされました(措法41の19の3)。
イ 一般断熱改修工事等の場合
居住年                             改修工事限度額     控除率   最大控除限度額
平成25年1月~平成26年3月  200万円(300万円) ※  10%    20万円(30万円)
平成26年4月~平成29年12月  250万円(350万円) ※  10%    25万円(35万円)
※ 断熱改修工事等と併せて太陽光発電設備の設置工事を行う場合の改修工事限度額です。
ロ 高齢者等居住改修工事等の場合
居住年                     改修工事限度額               控除率   最大控除限度額
平成25年1月~平成26年3月   150万円          10%      15万円
平成26年4月~平成29年12月   200万円         10%      20万円
ハ 特定改修工事をして平成26年4月から平成29年12月までの間に居住の用に供し、かつ、その特定改修工事に係る費用の額に含まれる消費税額等のうちに新消費税額等相当額が含まれている場合以外の場合には、上記イ又はロにかかわらず、一般断熱改修工事等については、改修工事限度額200万円(太陽光発電設備の設置工事を行う場合は300万円)、控除率10%とし、高齢者等居住改修工事等については、改修工事限度額150万円、控除率10%とされました(措法41の19の3)。

平成25年税制改正について

個人所得課税

1. 所得税の最高税率の見直し
格差の是正及び所得再分配機能の回復の観点か ら、現行の所得税の税率構造に加えて、課税所得 4,000万円超について45%の税率が創設されます。

2.金融・証券税制
家計の安定的な資産形成を支援するとともに、 経済成長に必要な成長資金の供給を拡大しデフレ 脱却を後押しする観点から、10年間、500万円の 非課税投資を可能とする日本版ISA(非課税口座 内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得 等の非課税措置)が創設されます。 また、税負担に左右されずに金融商品を選択で きるよう、金融所得課税の一体化の拡充(公社債等の利子及び譲渡損失並びに上場株式等に係る所 得等の金融商品間の損益通算範囲の拡大等)を行 うこととしています。

3.住宅税制
消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し緩和する観点から、住 宅ローン減税を平成26年1月1日から平成29年末 まで4年間延長し、その期間のうち平成26年4月 1日から平成29年末までに認定住宅(長期優良住 宅・低炭素住宅)を取得した場合の控除限度額を 500万円に、それ以外の住宅を取得した場合には 400万円にそれぞれ拡充することとしています。な お、東日本大震災の被災者が新たに再建住宅を取 得等する場合、住宅ローン減税の最大控除額を他 の地域よりさらに抜本的にかさ上げし、600万円 に引き上げることとしています。 また、自己資金で認定住宅を取得した場合及び 省エネ等の一定の住宅リフォームを行った場合の 所得税の住宅投資減税についても拡充することとし ています。