六観法(人物鑑定法)

その人物が忠実にして、公正で信頼に足る人物かどうかを観る人物鑑定法として
「貞観政要」に次のような記述がある。
1 貴ければ則ち其の挙ぐる所を観(人の上に立って、どのような人物を登用するか)
2 富みては則ち其の与ふる所を観(裕福になって、どのようにお金を使うか)
3 居りては則ち其の好む所を観(余暇において、どのようなことをしているか)
4 学べば則ち其の言ふ所を観(知識人となって、どのような発言をしているか)
5 窮すれば則ち其の受けざる所を観(貧窮したときに、悪銭を受けないか)
6 賎しければ則ち其の為さざる所を観(卑しい地位に在って、道に外れていないか)

※貞観政要(じょうがんせいよう)は、唐代に呉兢(ごきょう)が編纂したとされる太宗(唐朝の第2代皇帝。高祖李淵の次男で、李淵と共に唐朝の創建者とされる。隋末の混乱期に李淵と共に太原で挙兵し、長安を都と定めて唐を建国した。太宗は主に軍を率いて各地を転戦して群雄を平定し、626年にクーデターの玄武門の変にて皇太子の李建成を打倒して皇帝に即位し、群雄勢力を平定して天下を統一した。)の言行録である。
題名の「貞観」は太宗の在位の年号で、「政要」は「政治の要諦」をいう。全10巻40篇からなる。