惜福(せきふく)
幸福に巡り合った時には、それを使い尽くさずに大切にその一部でも目に見えない気持ちで残しておく、運の良い人は惜福の工夫あり。
分福(ぶんぷく)
自分に与えられた福を他人に分ける事を心掛ける惜福は、自分一身での福を使い尽くさない工夫であるが、分福は、福を分ける相手がはっきりとしており「仁」の心得えあり。豊臣秀吉は分福といわれ、惜福に欠き、徳川家康は、惜福の人であったが分福には、欠けるところがあった。
植福(しょくふく)
自らのカや情や知を人の世の慶びゃ幸せとなるべく寄与してゆく。人の世の慶福を増進して育成してゆけば、自らも又、福に帰る。木を植えて枝葉を整えて成長させるは惜福といえる。果実は、自らだけでなく人に分ける事は分福となり、次のために種をまいて人の為、子孫のためするは植福なり。
是の如く我れ聞く、或は一国に生れ、或は一郡に住み、或は一県に処り、或は一村に処)り、一樹の下に宿り、一河の流を汲み、一夜の同宿、一日の夫婦、一所の聴聞、暫時の同道、半時の戯笑、一言の会釈、一坐の飲酒、同杯同酒、一時の同車、同畳同坐、同牀一臥(どうしょういちが)、軽重異るあるも、親疏別有るも、皆是れ先世の結縁なり。
(聖徳太子「説法明眼論」)
「六行」とは、人として模範となる人物の六つの行いを示したもので、1788(天明8)年8月、会津藩主松平容頌が、家老田中玄宰の建議から発布したものです。
一、善く父母に孝なる者
大いに、父や母に孝行する者。
二、善く兄に事へ善く弟を愛し、長を敬し幼を恵む者
大いに、父や母の言うことを聞き、兄弟仲良くし、年上の人を尊敬し、幼い者をかわいがる者。
三、善く家内及び親族に和睦なる者
大いに、家の中、親類縁者の人たちと仲良くできる者。
四、善く外親に至るまでを親み、本を忘れざる者
大いに、仲間をつくり、お互いに仲良くするが、付き合いのけじめを忘れない者。
五、友に信ありて人に任せられ、其のことを担当して久きに耐ふる者
友人から信頼され、自分が仕事を任され、しかもその仕事を長いこと担当できる者。
六、親族朋友に災厄疾病貧窮等あれば、厚く之を救恤すること、己の憂に逢ふが如くする者
親類縁者の人たちや友人が災難や病気にかかり、あるいはお金がなくて困っている時に自分のことのように心配し、お金や品物を差し出すことができる者。