幸田露伴の三福

惜福(せきふく)
幸福に巡り合った時には、それを使い尽くさずに大切にその一部でも目に見えない気持ちで残しておく、運の良い人は惜福の工夫あり。

分福(ぶんぷく)
自分に与えられた福を他人に分ける事を心掛ける惜福は、自分一身での福を使い尽くさない工夫であるが、分福は、福を分ける相手がはっきりとしており「仁」の心得えあり。豊臣秀吉は分福といわれ、惜福に欠き、徳川家康は、惜福の人であったが分福には、欠けるところがあった。

植福(しょくふく)
自らのカや情や知を人の世の慶びゃ幸せとなるべく寄与してゆく。人の世の慶福を増進して育成してゆけば、自らも又、福に帰る。木を植えて枝葉を整えて成長させるは惜福といえる。果実は、自らだけでなく人に分ける事は分福となり、次のために種をまいて人の為、子孫のためするは植福なり。

説法明眼論

是の如く我れ聞く、或は一国に生れ、或は一郡に住み、或は一県に処り、或は一村に処)り、一樹の下に宿り、一河の流を汲み、一夜の同宿、一日の夫婦、一所の聴聞、暫時の同道、半時の戯笑、一言の会釈、一坐の飲酒、同杯同酒、一時の同車、同畳同坐、同牀一臥(どうしょういちが)、軽重異るあるも、親疏別有るも、皆是れ先世の結縁なり。

(聖徳太子「説法明眼論」)