相続対策
養子縁組を活用した相続税対策
養子縁組による相続税の節税は、法定相続人の数を増やすことで「基礎控除額」や「非課税枠」を拡大し、累進課税の適用税率を緩和させる、実務上極めてポピュラーな手法です。
事案の概要
家族構成と状況: 被相続人は資産5億円(主に現預金と有価証券)を保有。法定相続人は長男1名のみ(独身または子1名)の事案でした。
- 1. 節税のスキーム
- 長男の子(被相続人から見た孫)1名と普通養子縁組を行います。相続税法上、実子がいる場合は「1名まで」を法定相続人の数に算入できます。
- 2. 具体的な節税効果
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- 控除額の増加: 基礎控除額が3,600万円から4,200万円へ600万円増加します。また、生命保険金や退職手当金の非課税枠もそれぞれ500万円ずつ拡大します。
- 税率の引き下げ: 相続人が1名から2名に分散されることで、法定相続分に応じた取得金額が圧縮され、適用される累進税率のブラケットが下がります。
- 世代飛ばし効果: 本来「親→子→孫」と2回課される相続税を1回に短縮できます。ただし、孫養子の場合は算出税額に「2割加算」が適用される点に注意が必要です。
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実務上の留意点
過度な節税のみを目的とした縁組は、相続税法第63条(同族会社の行為計算の否認に類する規定)により、税務署から相続人の数への算入を否認されるリスクがあります。
養育の実態や家督継承といった「縁組の妥当性」を慎重に検討し、遺留分などの民事上の争いも想定しておくことが不可欠です。