財産評価のチェックポイント

第8章 その他の財産

果実 / 支払期日未到来の既経過賃料 / 未収賃料

重要度: 3 / 5
誤り事例:
賃貸不動産に係る、支払期日が未到来だが課税時期までの期間に対応する既経過賃料(法定果実)の計上を失念した。
正しい評価方法:
課税時期までの期間に対応するが支払期日が未到来の賃料(既経過賃料)は、未収債権として日割り等により計算した金額を相続財産に計上します。
関係法令・通達
評価通達208(未収法定果実の評価)

果樹 / 未収天然果実

重要度: 2 / 5
誤り事例:
果樹園の果樹そのもの、及び収穫前で未収穫の天然果実(果実)について評価を失念した。
正しい評価方法:
果樹は、立木に準じて、その現況に応じた評価方法(取得価額や造林費用の現価等)により評価し、未収穫の天然果実は、その収穫時における価額を基礎として、収穫までに要する費用を控除した金額により評価します。
関係法令・通達
評価通達99(果樹等の評価)、209(未収天然果実の評価)

立竹 / 立木

重要度: 3 / 5
誤り事例:
山林に生育する立木について、山林(土地)の評価額に含めて評価した(土地と別個の財産として評価しなかった)。
正しい評価方法:
立木は、土地とは別個の財産として、標準伐期に達しているかどうか等に応じ、立木の時価(森林の立木の評価に関する通達等)に基づき評価します(森林の立木は、原則として標準的な立木の評価額に地味級、立木度、樹種構成等の補正を行います)。
関係法令・通達
評価通達111(評価単位)、113(森林の主要樹種の立木の評価)、117(森林の立木以外の立木の評価)、124(立竹の評価)

保安林等の立木

重要度: 2 / 5
誤り事例:
保安林に指定されている山林の立木について、伐採制限を考慮せず通常の立木と同様に評価した。
正しい評価方法:
保安林等指定を受けている立木は、伐採の制限の程度に応じて定められた控除割合を、通常の立木の評価額から控除して評価します。
関係法令・通達
評価通達123(保安林等の立木の評価)

ゴルフ会員権 / 株式制のゴルフ会員権 / 預託金制のゴルフ会員権 / 追加預託金のあるゴルフ会員権 / 取引相場のないゴルフ会員権

重要度: 4 / 5
誤り事例:
ゴルフ会員権について、取引相場がある場合にその70%相当額を乗じる取扱いを失念した、又は預託金制の会員権について取引価格と預託金額の両方を合算計上した。
正しい評価方法:
取引相場のあるゴルフ会員権は、課税時期の取引価格の70%相当額により評価します(預託金等がある場合はその返還されるべき金額を加算)。取引相場のない会員権は、株主でなければ会員となれない会員権は株式としての価額により評価し、預託金の返還を受けられるものはその預託金の額(据置期間に応じた複利現価)により評価します。
関係法令・通達
評価通達211(ゴルフ会員権の評価)

不動産所有権付リゾート会員権

重要度: 2 / 5
誤り事例:
リゾート会員権のうち区分所有建物等の不動産所有権が付されているものについて、会員権としての評価のみを行い、不動産部分の評価を別途行わなかった。
正しい評価方法:
不動産所有権付リゾート会員権は、不動産部分(区分所有権・敷地利用権)を家屋・土地の評価方法により評価し、会員としての施設利用権部分について別途評価を検討します。
関係法令・通達
評価通達5204及び該当する個別通達

抵当証券

重要度: 2 / 5
誤り事例:
抵当証券について、額面金額のみを評価額とし、既経過利息を加算しなかった。
正しい評価方法:
抵当証券は、貸付金債権に準じ、元本の額に既経過利息の額(源泉徴収税額相当額控除後)を加算した金額により評価します。
関係法令・通達
評価通達212(抵当証券の評価)

信託受益権 / ヒット

重要度: 3 / 5
誤り事例:
信託受益権について、信託財産の構成(不動産、金銭等)にかかわらず一律の評価方法を適用した。
正しい評価方法:
信託受益権は、原則として信託財産を委託者が所有するものとみなして評価する取扱い(信託財産の構成資産ごとの評価額を合計する方法)によります。元本と収益受益権が分離されている場合はそれぞれの評価方法によります。
関係法令・通達
評価通達202(信託受益権の評価)

家族信託(民事信託)受益権

重要度: 4 / 5
誤り事例:
委託者兼受益者が死亡した場合の家族信託(民事信託)について、信託契約の存在自体を見落として申告から漏らした。また、跡継ぎ遺贈型受益者連続信託や受益権が複層化(元本受益権と収益受益権に分離)されている信託について、通常の信託受益権と同一の評価方法をそのまま適用した。
正しい評価方法:
家族信託は信託法・相続税法上「信託に関する権利」として扱われ、委託者が有していた信託財産は原則として評価通達202に準じて評価します。ただし、受益者連続型信託(受益者の死亡により次の受益者が権利を取得する型)や、受益権が元本受益権と収益受益権に複層化されている信託については、それぞれの受益権の内容に応じた個別の評価上の取扱いがあるため、信託契約書の内容(受益者の範囲、順位、分配方法等)を必ず確認する必要があります。
関係法令・通達
相続税法9条の2〜9条の3(信託に関する権利の贈与等)、評価通達202

NFT・その他のデジタル資産(暗号資産以外)

重要度: 3 / 5
誤り事例:
NFT(非代替性トークン)やメタバース内の資産、オンラインゲーム内の課金アイテム等、暗号資産以外のデジタル資産について、財産性の有無を検討せず申告から漏らした。
正しい評価方法:
暗号資産以外のデジタル資産についても、財産的価値があり換金性・移転性が認められる場合には相続税の課税対象となり得ます。財産評価基本通達に明文の評価方法の定めがないため、活発な市場が存在する場合は課税時期における取引価格を、存在しない場合は売買実例価額や精通者意見価格等を参酌して個別に評価を検討する必要があります。
関係法令・通達
評価通達5(評価方法の定めのない財産の評価)

クラウドファンディング

重要度: 2 / 5
誤り事例:
投資型・貸付型クラウドファンディングの出資持分や貸付債権について、評価そのものを失念した。
正しい評価方法:
クラウドファンディングにより取得した権利は、その法的性質(匿名組合出資、貸付債権、株式等のいずれに該当するか)を契約書等により確認し、該当する性質に応じた財産の評価方法(匿名組合出資持分、貸付金債権、取引相場のない株式等の評価方法)を参考に、個別に評価を検討します。
関係法令・通達
評価通達5204及び該当する個別通達

暗号資産 / 仮想通貨 / ビットコイン

重要度: 4 / 5
誤り事例:
暗号資産(仮想通貨)について、取得価額をそのまま評価額とした、又は取引所ごとに複数の気配値がある場合の取扱いを検討しなかった。
正しい評価方法:
活発な市場が存在する暗号資産は、原則として課税時期における取引価格(納税者が取引を行っている取引所の課税時期の終値等)により評価します。活発な市場が存在しない場合は、売買実例価額や精通者意見価格等を参酌して個別に評価します。
関係法令・通達
評価通達5204及び該当する個別通達

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