- 誤り事例:
- 預入高だけを相続財産に計上した。
- 正しい評価方法:
- 課税時期の預入高に、解約時に受け取れる既経過利子から源泉徴収所得税相当額を控除した額を加算して評価する。
- 誤り事例:
- 少額利子の預金にも利子計算を一律に行った。
- 正しい評価方法:
- 定期預金、定期郵便貯金及び定額郵便貯金以外は、既経過利子が少額なら課税時期の預入高で評価できる。
- 誤り事例:
- ゆうちょ銀行の定額貯金等について、通常貯金と同様に既経過利子の計算を省略した。
- 正しい評価方法:
- 定額貯金等固定性の預貯金は、原則として定期預金と同様に、元本額に既経過利子相当額(源泉徴収税額控除後)を加算して評価します。
- 誤り事例:
- 電子マネーの残高やプリペイドカードの未使用残高について、財産としての計上を失念した。
- 正しい評価方法:
- 電子マネー・プリペイドカードの未使用残高は、原則としてその残高(券面額)を評価額とします(払戻しができないものなど性質に応じた検討が必要です)。
- 関係法令・通達
- 評価通達5、204及び該当する個別通達
- 誤り事例:
- テナント等から差し入れられた無利息又は低利率の建設協力金(保証金)について、預り金の額面をそのまま評価対象(債務控除額)とした。
- 正しい評価方法:
- 無利息・低利率の建設協力金は、返済条件(返済期間、利率、据置期間等)を勘案し、複利現価の考え方を参考にしつつ、契約内容に応じた合理的な方法により評価(債務控除額を算定)することを検討します。
- 関係法令・通達
- 評価通達5、204及び該当する個別通達
- 誤り事例:
- 賃貸人が預かっている敷金・保証金について、預り額をそのまま債務として計上せず、又は賃借人側が支払った敷金の返還請求権(資産)の評価を失念した。
- 正しい評価方法:
- 賃借人側が有する敷金・保証金の返還請求権は、原則として預託した金額(返還時期が長期にわたり無利息の場合は複利現価による調整を検討)により資産として評価します。賃貸人側は預り敷金・保証金を債務として計上します。
- 関係法令・通達
- 評価通達5、204及び該当する個別通達
- 誤り事例:
- 譲渡担保に供されている財産について、担保設定者(債務者)の財産として評価せず、名義(受託者)側の財産として扱った。
- 正しい評価方法:
- 譲渡担保は、その実質が金銭消費貸借の担保であることを踏まえ、担保物件は担保設定者(債務者)の財産として評価し、被担保債権額を債務として別途計上します。
- 関係法令・通達
- 評価通達5、204及び該当する個別通達
- 誤り事例:
- 相続開始時点で係争中(判決未確定)の損害賠償請求権について、将来受け取る見込額を確定額として評価した、又は評価そのものを失念した。
- 正しい評価方法:
- 訴訟中の権利は、課税時期における係争の状況(勝訴の可能性、確定判決の有無等)を勘案し、合理的に見積もられる金額により評価します。判決等により金額が確定している場合はその確定額により評価します。
- 誤り事例:
- FX取引・CFD取引の証拠金及び未決済ポジションの評価損益について、証拠金の額面のみを評価額とし、含み損益を反映しなかった。
- 正しい評価方法:
- FX・CFD等の証拠金取引は、課税時期に決済したものとみなした場合の評価損益を反映した金額(証拠金+評価益又は-評価損)により評価します。
- 関係法令・通達
- 評価通達5、204及び該当する個別通達
- 誤り事例:
- オプション取引(買い建玉・売り建玉)について、支払った・受け取ったオプション料(プレミアム)の額をそのまま評価額とし、課税時期の時価変動を反映しなかった。
- 正しい評価方法:
- オプション取引は、課税時期における当該オプションの取引価格(清算値段等)を基礎として評価します(買い建玉は資産、売り建玉は負債として計上)。
- 関係法令・通達
- 評価通達5、204及び該当する個別通達
- 誤り事例:
- 受取手形について、手形金額のみを評価額とし、決済の確実性(振出人の信用状況)を考慮しなかった。
- 正しい評価方法:
- 受取手形は、原則として貸付金債権等に準じ、手形金額に基づき評価しますが、不渡りのおそれがある等回収不能が見込まれる場合はその金額を控除して評価します。
- 関係法令・通達
- 評価通達206(受取手形等の評価)
- 誤り事例:
- 頼母子講・無尽の掛金や給付金請求権について、評価そのものを失念した。
- 正しい評価方法:
- 無尽又は頼母子に関する権利は、契約内容(給付を受けているか、掛金の状況等)に応じ、貸付金債権又は預貯金に準じた評価方法により評価します。
- 関係法令・通達
- 評価通達207(無尽又は頼母子に関する権利の価額)