財産評価のチェックポイント

第9章 みなし相続財産

死亡保険金の課税区分(保険商品名によらない判定)

重要度: 3 / 5
誤り事例:
終身・定期等の商品名だけで相続税・所得税・贈与税を判定した。
正しい評価方法:
保険料の実質負担者、被保険者、受取人及び給付原因で課税関係を判定する。商品名、返戻率又は保険期間は判定要素そのものではない。
関係法令・通達
相続税法3条1項1号12条1項5号

死亡保険金(保険料負担者と受取人の判定)

重要度: 5 / 5
誤り事例:
被保険者が死亡したという事情だけで、保険料の負担者を確認せず、受取保険金の全額を相続税の対象として処理した。
正しい評価方法:
死亡保険金の課税関係は、被保険者、実質的な保険料負担者及び受取人の組合せで判定します。被保険者と保険料負担者が同一の場合には相続税の対象となりますが、保険料負担者と受取人が同一の場合は所得税、三者が異なる場合は贈与税の対象となり得ます。
関係法令・通達
相続税法3条1項1号、国税庁「死亡保険金を受け取ったとき」

死亡保険金の非課税限度額

重要度: 5 / 5
誤り事例:
相続放棄者又は相続人以外の受取人が取得した死亡保険金にも、生命保険金の非課税限度額を適用した。
正しい評価方法:
被相続人が保険料を負担した死亡保険金のうち、相続人が取得したものには、生命保険金全体について「500万円×法定相続人の数」の非課税限度額を適用します。相続放棄者や相続人以外の者が取得した保険金には、この非課税の適用はありません。
関係法令・通達
相続税法12条1項5号15条、国税庁「相続税の課税対象になる死亡保険金」

収入保障保険金・年金形式の死亡保険金

重要度: 5 / 5
誤り事例:
収入保障保険金を年金形式で受け取るにもかかわらず、将来の年金総額をそのまま相続税の課税価格に計上した、又は一時金額のみで処理した。
正しい評価方法:
死亡を保険事故として年金を受ける権利を取得した場合は、定期金に関する権利として評価します。受取方法(一時金・年金)及び契約内容を確認し、年金形式では相続税法24条及び財産評価基本通達の定期金評価の定めによります。
関係法令・通達
相続税法3条1項1号24条、財産評価基本通達200以下(定期金に関する権利)

傷害疾病定額保険の死亡給付

重要度: 4 / 5
誤り事例:
傷害疾病定額保険の給付金を、死亡を原因とする給付か、生前の入院・通院等を原因とする給付かを区別せず、全額を生命保険金の非課税対象として処理した。
正しい評価方法:
傷害疾病定額保険のうち死亡を原因として支払われる給付は、契約の相手方その他の要件を満たす場合、相続税法3条の保険金等に含まれます。一方、生前の入院・通院等を原因として発生した給付請求権は、原則として被相続人の未収金として判定し、生命保険金の非課税限度額の対象とはしません。
関係法令・通達
相続税法3条1項1号、相続税法基本通達3-1、国税庁「第3条関係」

海外の生命保険

重要度: 4 / 5
誤り事例:
海外の保険会社との契約であることを理由に、国内の生命保険と別の非課税限度額を用いた、又は外貨建て保険金を円換算せずに計上した。
正しい評価方法:
海外の生命保険であっても、相続税の課税関係は保険料負担者、被保険者及び受取人等の実質で判定します。外貨建ての保険金・年金受給権は、課税時期の邦貨換算を行い、契約書、保険会社の支払明細及び為替資料を保存します。
関係法令・通達
相続税法3条1項1号12条1項5号、財産評価基本通達4-3(外貨建て財産の換算)

iDeCoの死亡一時金

重要度: 4 / 5
誤り事例:
iDeCoの死亡一時金を、通常の預貯金又は生命保険金として処理した。
正しい評価方法:
死亡を原因として遺族が受け取るiDeCoの死亡一時金は、退職手当金等に準ずるものとして相続税の課税関係を判定します。受取人及び裁定内容を確認します。
関係法令・通達
相続税法3条1項2号12条1項6号

小規模企業共済の共済金

重要度: 4 / 5
誤り事例:
小規模企業共済の死亡共済金について、死亡退職金の非課税限度額の適用を検討しなかった。
正しい評価方法:
死亡を給付原因とする共済金は、退職手当金等に準ずるものとして、受取人及び支給原因に応じて判定します。
関係法令・通達
相続税法3条1項2号12条1項6号

遺族一時金

重要度: 3 / 5
誤り事例:
遺族一時金を、制度・支給根拠を確認せずに一律に相続財産又は非課税財産とした。
正しい評価方法:
遺族一時金は、支給制度、受給権者及び死亡との因果関係により課税関係が異なります。法令又は規約に基づく支給根拠を確認して判定します。
関係法令・通達
相続税法3条12条(該当する支給制度の根拠法令を確認)

前払保険料 / 未経過保険料

重要度: 2 / 5
誤り事例:
被相続人が契約者であった損害保険等の前払保険料・未経過保険料(解約による返還金相当額)について、評価対象から失念した。
正しい評価方法:
前払保険料のうち、解約等により返還を受けることができる未経過部分の金額は、本来の相続財産(生命保険契約に関する権利又は前払費用相当額の債権)として評価します。
関係法令・通達
相続税法3条、評価通達214及び該当する個別通達

無保険車傷害保険契約に係る保険金 / 遅延利息

重要度: 2 / 5
誤り事例:
交通事故等により死亡した場合の無保険車傷害保険金について評価を失念した、又は保険金の支払遅延に伴う遅延利息を保険金と合算して非課税枠の対象とした。
正しい評価方法:
無保険車傷害保険契約に基づき被相続人の死亡を原因として支払われる保険金は死亡保険金としてみなし相続財産に該当し非課税限度額の対象となりますが、支払遅延に伴う遅延利息相当額は非課税枠の対象外となる点に留意します。
関係法令・通達
相続税法基本通達3-10(無保険車傷害保険契約に係る保険金)

退職金 / 役員退職金 / 年金払いで受ける死亡退職金 / 退職手当金等を定期金として受給した場合

重要度: 5 / 5
誤り事例:
被相続人の死亡後3年を超えて支給が確定した退職金をみなし相続財産として相続税の課税対象とした(本来は所得税の対象となる場合がある)。年金払いの死亡退職金について、定期金評価を行わず一時金相当額のみで評価した。
正しい評価方法:
被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した退職手当金等は、みなし相続財産として「500万円×法定相続人の数」の非課税限度額を適用して評価します。死亡後3年を経過した後に支給が確定した退職手当金等については、原則としてみなし相続財産には該当せず、受給者の所得税の課税関係を検討することになります。年金として受給する場合は、定期金に関する権利の評価方法に準じて評価します。
関係法令・通達
相続税法3条1項2号(退職手当金等)、12条1項6号(非課税限度額)

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