財産評価のチェックポイント

1. 非課税財産

お墓 / 墓石、墓地、墓碑、墓所 / 位牌 / 仏壇、仏具、仏像 / 神棚 / 神具 / 祭具 / 霊びょう / おたまや

重要度: 4 / 5
誤り事例:
被相続人が生前に購入した墓地・墓石・仏壇等の祭祀財産について、課税財産として相続税評価の対象に含めた。また、投資目的・骨とう的価値がある高額な仏具等についても一律に非課税として扱った。
正しい評価方法:
墓地、墓石、仏壇、仏具、神棚等の日常礼拝の用に供されている祭祀財産は、原則として相続税の非課税財産です。ただし、商品として所有するもの又は骨とう的価値等があり投資の対象となるもの(純金の仏像等)は非課税財産に該当しない点に留意が必要です。なお、被相続人が生前に借入金で墓地等を購入していた場合、その未払代金は非課税財産に対応する債務として債務控除の対象とならない点にも留意します。
関係法令・通達
相続税法12条1項2号(非課税財産)

庭内神しの敷地

重要度: 2 / 5
誤り事例:
庭内にある祠等(庭内神し)そのものだけでなく、その敷地部分についても一律に非課税財産として評価対象から除外した。
正しい評価方法:
庭内神し自体(祠、鳥居等)は非課税財産に該当しますが、その敷地部分は原則として宅地の評価に含めて評価する取扱いとなるため、個別の事実関係(敷地が明確に区分されているか等)を踏まえて判定する必要があります。
関係法令・通達
相続税法12条及び該当する個別法令

香典 / 弔慰金(非課税枠内) / 葬祭費 / 埋葬料、埋葬費

重要度: 3 / 5
誤り事例:
参列者から受け取った香典について、相続財産として計上した。健康保険等から支給される葬祭費・埋葬料についても相続財産に含めて申告した。
正しい評価方法:
香典は喪主に対する贈与的な性質を有するものとして、社会通念上相当な範囲内であれば相続税・贈与税いずれも課税されません。健康保険等から支給される葬祭費・埋葬料も非課税とされています。弔慰金は前述(第9章)の非課税限度額を超える部分がみなし相続財産となる点に留意します。
関係法令・通達
相続税法12条及び該当する個別法令

国民年金死亡一時金 / 寡婦年金 / 遺族年金 / 遺族国庫債券

重要度: 3 / 5
誤り事例:
国民年金の死亡一時金や遺族年金等について、被相続人の財産として相続税の課税対象に含めた。
正しい評価方法:
国民年金の死亡一時金、寡婦年金、遺族年金等は、遺族固有の権利として支給されるものであり、相続税の課税対象とはなりません(そもそも相続財産に該当しない財産です)。
関係法令・通達
相続税法12条及び該当する個別法令

未支給年金

重要度: 4 / 5
誤り事例:
被相続人が受給していた国民年金・厚生年金等について、死亡後に遺族が請求・受給した未支給分(死亡月分までの未受給の年金)を、被相続人の本来の相続財産(未収入金)として相続税の課税価格に算入した。
正しい評価方法:
未支給年金は、国民年金法・厚生年金保険法等の規定により、被相続人と生計を同じくしていた一定の遺族が自己の固有の権利として請求するものであり、民法上の相続財産にも相続税法上のみなし相続財産にも該当しません。相続税の課税対象とはならず、これを受け取った遺族の一時所得として所得税の課税対象になる点に留意します。
関係法令・通達
国民年金法19条、厚生年金保険法37条、所得税基本通達34-2

心身障害者扶養共済制度に基づく受給権

重要度: 2 / 5
誤り事例:
地方公共団体が実施する心身障害者扶養共済制度に基づく給付金の受給権について、通常の生命保険契約に関する権利と同様に評価し課税対象とした。
正しい評価方法:
心身障害者扶養共済制度に基づく給付金を受ける権利は、相続税法上非課税とされています。
関係法令・通達
相続税法12条1項4号(非課税財産)

教育用財産

重要度: 2 / 5
誤り事例:
被相続人が個人で営む学校等の教育の用に供されていた財産について、通常の事業用財産と同様に課税対象とした。
正しい評価方法:
学校法人等が教育の用に供する財産で一定の要件を満たすものは非課税とされる場合がありますが、適用対象は限定的であるため、財産の帰属主体(個人か法人か)や用途を慎重に確認する必要があります。
関係法令・通達
相続税法12条1項3号(非課税財産)

国に寄附(遺贈)した相続財産 / 地方公共団体に寄附した相続財産 / 特定公益信託に支出した金銭 / 自治会に寄附(遺贈)した相続財産 / 町内会に寄附(遺贈)した相続財産

重要度: 4 / 5
誤り事例:
相続財産を国・地方公共団体等に寄附した場合の非課税規定について、申告期限までに寄附を行っていない、又は寄附先が非課税対象となる団体(特定公益法人等)に該当しないにもかかわらず非課税として申告した。自治会・町内会など法人格のない団体への寄附について非課税規定を適用した。
正しい評価方法:
相続税の申告期限までに、相続又は遺贈により取得した財産を国、地方公共団体又は特定の公益法人(特定公益信託を含む)に寄附した場合には、その寄附財産は非課税とされます。ただし、対象となる寄附先や手続要件(申告書への明細書の添付等)を満たす必要があり、法人格のない自治会・町内会への寄附は原則としてこの非課税規定の対象外である点に留意します。
関係法令・通達
租税特別措置法70条(国等に対して相続財産を贈与した場合の相続税の非課税)

提供公園

重要度: 2 / 5
誤り事例:
開発行為に伴い地方公共団体に提供(帰属)した公園予定地について、被相続人(相続人)の所有財産として評価対象に含めた。
正しい評価方法:
開発許可等に基づき既に地方公共団体に帰属している提供公園の土地は、そもそも被相続人の所有財産ではないため相続財産に含まれません。所有権の帰属状況を登記簿等で確認します。
関係法令・通達
相続税法12条及び該当する個別法令

入会地 / 時効取得した土地

重要度: 2 / 5
誤り事例:
入会権に基づき利用している入会地(村落共同体の共有的利用地)について、被相続人個人の財産として評価対象に含めた。時効取得により権利関係が未確定な土地について評価を失念した。
正しい評価方法:
入会地は入会権者全体に総有的に帰属する性質を有するため、被相続人個人の持分として単純に評価することはできず、権利関係を慣習等に基づき慎重に確認する必要があります。時効取得の主張が可能な土地については、その法的地位(時効の完成・援用の有無等)を踏まえて評価の要否を判断します。
関係法令・通達
相続税法12条及び該当する個別法令

風景地保護協定が締結されている土地 / 市民緑地契約が締結されている土地

重要度: 2 / 5
誤り事例:
自然環境保全法等に基づく風景地保護協定や都市緑地法に基づく市民緑地契約が締結されている土地について、利用制限を考慮せず通常の宅地・山林等と同様に評価した。
正しい評価方法:
これらの協定・契約により長期間の利用制限を受けている土地は、その制限の内容に応じて定められた控除割合(例えば風景地保護協定は一定割合の控除、市民緑地契約は契約期間に応じた控除)を通常の評価額から控除して評価します。
関係法令・通達
相続税法12条及び該当する個別法令

特別縁故者が取得した財産 / 特別寄与料 / 負担付遺贈財産 / 停止条件付遺贈財産 / 代償財産

重要度: 3 / 5
誤り事例:
特別縁故者が家庭裁判所の審判により取得した財産について、相続税の基礎控除等、相続人が取得した場合と同様の取扱いを適用した。負担付遺贈について、負担額を考慮せず遺贈財産の全額を評価額とした。代償分割における代償財産の授受を評価に反映しなかった。
正しい評価方法:
特別縁故者が取得した財産は遺贈により取得したものとみなされますが、相続人ではないため基礎控除の計算上の法定相続人の数には含めず、相続税額の2割加算の対象となります。負担付遺贈は、遺贈の目的物の価額から負担額を控除した金額により評価します。代償分割が行われた場合、代償財産を交付した者は取得財産の価額から代償債務を控除し、交付を受けた者はその価額を加算して課税価格を計算します。停止条件付遺贈は、条件が相続税の申告期限までに成就したかどうかにより課税関係が異なる点に留意します。
関係法令・通達
相続税法4条(特別縁故者への分与財産)、19条の2、民法904条の2(寄与分)

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