- 誤り事例:
- 実用新案権・意匠権について、特許権と異なる評価方法があるものと誤解し、あるいは評価そのものを失念した。
- 正しい評価方法:
- 実用新案権・意匠権及びその実施権は、特許権の評価方法に準じて、将来受けるべき補償金の額の複利現価の合計額等により評価します。
- 関係法令・通達
- 評価通達146(実用新案権、意匠権及びそれらの実施権の評価)
- 誤り事例:
- 商標権について、登録費用のみを評価額とし、ブランド価値や使用許諾に伴う収益を考慮しなかった。
- 正しい評価方法:
- 商標権は、特許権の評価方法に準じ、将来受けるべき使用料等の複利現価の合計額等により評価します。
- 関係法令・通達
- 評価通達147(商標権及びその使用権の評価)
- 誤り事例:
- ブログ等のアフィリエイトアカウントから生じる収益について、財産性を認識せず評価を全く行わなかった。
- 正しい評価方法:
- アフィリエイトサイト等から継続的な収益が生じている場合には、その収益を生み出す権利・契約上の地位等に財産的価値があるかを検討し、個別の契約内容及び実態(契約の譲渡可能性、規約上の制約、収益の継続性等)に応じて評価の要否及び評価方法を判定します。財産評価基本通達に評価方法の明文の定めがないため、類似する権利の評価方法を参考にしつつ個別に検討する必要があります。
- 誤り事例:
- 著作権について、印税収入の実績を確認せず評価額をゼロとした、あるいは著作権を保有する著作者本人の死亡時に評価を失念した。
- 正しい評価方法:
- 著作権は、年平均印税収入の額を基礎とし、著作物に精通している者の意見等を参酌した評価倍率(原則として著作物の種類に応じた倍率)を用いて評価します。
- 誤り事例:
- 電話加入権について、取得時の施設設置負担金の額をそのまま評価額とした。
- 正しい評価方法:
- 電話加入権は、原則として取引相場のある地域は取引価格により、それ以外は国税局長の定める標準価額により評価します(近年は取引価額が僅少であることが多く、実務上少額での評価となる場合が多い点に留意)。
- 関係法令・通達
- 評価通達161(電話加入権の評価)
- 誤り事例:
- 鉱業権について、登録免許税等の取得費用のみを評価額とし、埋蔵鉱物の採掘による収益性を考慮しなかった。
- 正しい評価方法:
- 鉱業権は、原則として近い将来における採掘予定鉱量を基礎として算定した所得の額の複利年金現価等を用いた評価方法(特許権に準じた収益還元的な方法)により評価します。
- 関係法令・通達
- 評価通達155(評価単位)、156(鉱業権の評価)
- 誤り事例:
- 採石権について、評価を失念した、又は鉱業権と全く同一の評価方法を機械的に適用した。
- 正しい評価方法:
- 採石権は、鉱業権の評価方法に準じつつ、採石可能な残存期間や採石量等、採石権固有の条件を考慮して評価します。
- 誤り事例:
- 漁業権について、漁業協同組合への出資金等と混同し、評価そのものを行わなかった。
- 正しい評価方法:
- 漁業権は、原則として売買実例価額や精通者意見価格を参酌し、これらが不明な場合には、漁業権の内容(免許の種類、存続期間等)に応じた個別の評価方法により評価します。
- 関係法令・通達
- 評価通達163(漁業権の評価)、164(大臣許可漁業等を営むことのできる権利等の評価)
- 誤り事例:
- 個人事業の相続において、超過収益力を有する営業権(のれん)の存在を検討せず、評価対象から除外した。
- 正しい評価方法:
- 営業権は、平均利益金額、標準企業者報酬額、総資産価額等を基礎として計算した超過利益金額に、営業権の持続年数に応じた基準年利率による複利年金現価率を乗じて評価します(医師、弁護士等一定の事業を除き、平均利益金額が一定額以下の場合は評価不要とされる場合もあります)。
- 関係法令・通達
- 評価通達165(営業権の評価)、166(平均利益金額等の計算)
- 誤り事例:
- ゆうちょ銀行の定額貯金等について、通常貯金と同様に既経過利子の計算を省略した。
- 正しい評価方法:
- 定額貯金等固定性の預貯金は、原則として定期預金と同様に、元本額に既経過利子相当額(源泉徴収税額控除後)を加算して評価します。
- 誤り事例:
- 電子マネーの残高やプリペイドカードの未使用残高について、財産としての計上を失念した。
- 正しい評価方法:
- 電子マネー・プリペイドカードの未使用残高は、原則としてその残高(券面額)を評価額とします(払戻しができないものなど性質に応じた検討が必要です)。
- 関係法令・通達
- 評価通達5、204及び該当する個別通達
- 誤り事例:
- テナント等から差し入れられた無利息又は低利率の建設協力金(保証金)について、預り金の額面をそのまま評価対象(債務控除額)とした。
- 正しい評価方法:
- 無利息・低利率の建設協力金は、返済条件(返済期間、利率、据置期間等)を勘案し、複利現価の考え方を参考にしつつ、契約内容に応じた合理的な方法により評価(債務控除額を算定)することを検討します。
- 関係法令・通達
- 評価通達5、204及び該当する個別通達