- 誤り事例:
- 上場が決定しているが課税時期現在、まだ上場していない公開途上にある株式について、取引相場のない株式としての評価(純資産価額方式等)をそのまま適用した。
- 正しい評価方法:
- 公開途上にある株式は、公募価格等を基に定められた評価方法(金融商品取引所が公表する公開価格等を基礎とする)により評価します。
- 誤り事例:
- 外国の証券取引所に上場されている株式について、円換算のタイミングや為替レート(TTB等)の適用を誤った、又は日本の上場株式と同様の4区分比較の平均額規定を機械的に適用した。
- 正しい評価方法:
- 外国上場株式は、原則として国内上場株式の評価方法に準じつつ、現地取引所の終値を課税時期の対顧客直物電信買相場(TTB)等により円換算して評価します。
- 関係法令・通達
- 評価通達169(上場株式の評価)に準じて評価
- 誤り事例:
- 信用取引の建玉(未決済のポジション)及びこれに付随する受取日歩・配当金について評価を失念した。
- 正しい評価方法:
- 信用取引の建玉は、課税時期に決済したものとみなした利益又は損失の額を評価額とし、受取日歩や配当金相当額についても、その未収部分を債権として計上します。
- 誤り事例:
- 開業後3年未満の会社や休業中・清算中の会社の株式について、通常の類似業種比準方式を適用した。
- 正しい評価方法:
- 開業後3年未満の会社、開業前の会社、休業中の会社、清算中の会社の株式は、類似業種比準方式を用いることができず、純資産価額方式(清算中の会社は清算分配見込額の複利現価等)により評価します。
- 誤り事例:
- 総資産に占める株式等又は土地等の保有割合が高い特定会社に該当するかどうかの判定を行わず、通常の会社と同様に類似業種比準方式を適用した。
- 正しい評価方法:
- 株式等保有特定会社に該当する場合はS1+S2方式又は純資産価額方式により、土地保有特定会社に該当する場合は原則として純資産価額方式により評価します(会社規模にかかわらず該当要件を判定する必要があります)。
- 関係法令・通達
- 評価通達189(特定の評価会社の株式)
- 誤り事例:
- 定款や契約等により譲渡時の買取価格があらかじめ定められている株式について、当該買取価格をそのまま相続税評価額として採用した。
- 正しい評価方法:
- 契約等で定められた買取価格は私人間の約定にすぎず、相続税評価上はそれとは別に、財産評価基本通達に従った取引相場のない株式の評価方法(原則的評価方式又は配当還元方式)により評価する必要があります。
- 誤り事例:
- 無議決権株式について、議決権の有無による評価額の調整の要否を検討せず、普通株式と全く同一の評価額とした。
- 正しい評価方法:
- 無議決権株式は原則として普通株式と同様の方法で評価しますが、納税義務者の選択により、原則的評価方式により評価した価額から5%を控除し、その控除した金額を議決権株式の価額に加算する調整計算(一定の届出等の要件あり)を行うことができます。
- 誤り事例:
- 配当優先株式、社債類似株式等の種類株式について、種類ごとの権利内容の違い(優先配当、残余財産分配、償還条項等)を考慮せず普通株式と同一の評価方法を適用した。
- 正しい評価方法:
- 種類株式は種類ごとの内容に応じた評価方法によります。社債類似株式は社債に準じた評価(発行価額を基に利率、償還期限等を勘案)を行い、配当優先株式は原則的評価方式に準じつつ配当金の算定方法に留意します。
- 誤り事例:
- 中心的な同族株主に該当するかどうかの判定(会社規模区分に影響)を行わず、また比準要素(配当・利益・純資産)が全てゼロの会社について機械的に類似業種比準方式を適用した。
- 正しい評価方法:
- 中心的な同族株主が存在する場合は会社規模の判定等に影響するため株主構成を精査します。比準要素のすべてがゼロである会社は類似業種比準方式を用いることができず、純資産価額方式(同族株主等以外は配当還元方式)により評価します。
- 誤り事例:
- 発行会社が保有する自己株式について、純資産価額の計算上、発行済株式総数に自己株式を含めたまま1株当たりの評価額を算定した。
- 正しい評価方法:
- 自己株式については、1株当たりの純資産価額の計算における発行済株式数の取扱いに注意する必要があります(自己株式には配当還元方式に係る調整も別途考慮します)。
- 誤り事例:
- 各種法人・組合への出資金について、出資額(払込額)をそのまま評価額とした。
- 正しい評価方法:
- 出資金は、その法人の形態(会社、組合等)に応じて、取引相場のない株式に準じた評価方法(純資産価額方式等)又はその出資の内容に応じた個別の評価方法により評価します。
- 関係法令・通達
- 評価通達194〜196(持分会社・農業協同組合等・企業組合等の出資の評価)
- 誤り事例:
- 持分の定めのある医療法人への出資について、単純に出資額(払込額)を評価額とした。
- 正しい評価方法:
- 持分の定めのある医療法人の出資は、取引相場のない株式の評価方法に準じて(類似業種比準方式は適用せず、原則として純資産価額方式に準じた方法により)評価します。持分の定めのない医療法人(基金拠出型を含む)への拠出金は、原則として払込額により評価します。