財産評価のチェックポイント

3. 宅地及び宅地の上に存する権利

広大地(旧制度)/地積規模の大きな宅地

重要度: 3 / 5
誤り事例:
平成29年12月31日以前の相続等において適用できた広大地の評価(旧通達)と、平成30年1月1日以後に適用される地積規模の大きな宅地の評価(新通達)を混同し、要件や補正率の適用を誤った。
正しい評価方法:
平成30年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した宅地については、旧「広大地の評価」に代えて「地積規模の大きな宅地の評価」(規模格差補正率の適用)が適用されます。適用要件(地積、地区区分、容積率等)を確認します。
関係法令・通達
評価通達20-2(地積規模の大きな宅地の評価)

青空駐車場の敷地 / コインパーキングの敷地 / 駐車場

重要度: 3 / 5
誤り事例:
舗装や構築物のない青空駐車場・コインパーキングの敷地について、貸家建付地と同様に借家権割合を控除して評価した。
正しい評価方法:
構築物を伴わない青空駐車場は、自己が所有し自ら経営していても、また第三者に賃貸していても、原則として自用地としての価額により評価します(貸家建付地の評価減は適用されません)。
関係法令・通達
評価通達57-2及び該当する個別通達

空き家となっている貸家の敷地 / 空室のあるアパートの敷地

重要度: 5 / 5
誤り事例:
相続開始時点で空室となっている部屋がある貸家(アパート等)の敷地について、空室部分も含めた全室分の賃貸割合をそのまま用いて貸家建付地評価を行った、又は逆に空室があるからといって一律に賃貸割合から除外した。賃貸割合(一時的空室の該当性)は国税不服審判所の裁決事例が多数存在する頻出の争点であり、判定を誤ると評価額に直接影響するため特に注意が必要です。
正しい評価方法:
貸家建付地の評価に用いる賃貸割合は、原則として相続開始時における実際の賃貸状況に基づき算定しますが、一時的な空室(課税時期前後の入居状況、募集の状況等から一時的なものと認められる場合)については、継続的に賃貸されていたものとして賃貸割合に含めることができます。
関係法令・通達
評価通達26(貸家建付地の評価)

ウィークリーマンションの敷地 / マンスリーマンションの敷地 / 民泊建物の敷地 / 下宿家屋

重要度: 3 / 5
誤り事例:
ウィークリーマンションや民泊用建物の敷地について、通常の貸家建付地と同様に借家権控除を適用して評価した。
正しい評価方法:
ウィークリーマンション等、宿泊サービスの提供に近い形態で利用されている建物・敷地は、借地借家法上の借家権が生じていないと認められる場合には貸家建付地には該当せず、自用地として評価するのが原則です。個別の契約実態(利用期間、サービス提供の有無等)に基づき借家権の存否を判定する必要があります。
関係法令・通達
評価通達57-2及び該当する個別通達

貸家建築中の宅地 / 建築中のアパートの敷地

重要度: 3 / 5
誤り事例:
相続開始時点でまだ建物が完成していない(建築中の)貸家の敷地について、完成後の貸家建付地としての評価を行った。
正しい評価方法:
課税時期において貸家が建築中(未完成)の場合、建物の賃貸借はまだ生じていないため、その敷地は自用地として評価するのが原則です(建物自体も費用現価の70%により評価)。
関係法令・通達
評価通達91(建築中の家屋の評価)

貸家建付借地権 / 貸家建付地

重要度: 5 / 5
誤り事例:
借地上に建てた貸家を第三者に賃貸している場合の敷地(貸家建付借地権)について、借地権の評価額をそのまま用い、借家権相当額の控除を行わなかった。賃貸不動産を保有する相続案件のほぼすべてで登場する論点であり、借家権割合・賃貸割合の控除漏れは影響金額も大きいため、頻度・金額の両面で特に注意を要します。
正しい評価方法:
貸家建付地は自用地としての価額から「自用地価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合」を控除して評価し、貸家建付借地権についても同様に、借地権の価額から「借地権価額×借家権割合×賃貸割合」を控除して評価します。
関係法令・通達
評価通達26(貸家建付地の評価)、28(貸家建付借地権等の評価)

河川を隔てて路線に接している土地 / 水路のある宅地

重要度: 2 / 5
誤り事例:
河川や水路を隔てて路線に接している土地について、直接道路に接しているものとして通常の路線価評価を行った。
正しい評価方法:
河川・水路等により道路と分断され直接の接道がない場合は、無道路地としての評価(通路開設費用の控除)を検討し、橋等により通行が可能な場合はその状況を踏まえて評価します。
関係法令・通達
評価通達57-2及び該当する個別通達

サブリース契約している敷地

重要度: 3 / 5
誤り事例:
サブリース(一括借上げ)契約により不動産会社等に建物を貸し付けているアパート等の敷地について、転貸先の入居状況にかかわらず一律満室として貸家建付地評価を行った。
正しい評価方法:
サブリース契約の実態(オーナーとサブリース業者間の契約、実際の転貸(入居)状況等)を確認し、実質的な賃貸借の状況に基づいて借家権割合の適用や賃貸割合を判定します。
関係法令・通達
評価通達57-2及び該当する個別通達

社宅の敷地

重要度: 3 / 5
誤り事例:
会社所有の社宅(従業員に無償又は低額の使用料で貸与している家屋)の敷地について、通常の貸家建付地と同様に借家権割合を控除して評価した。
正しい評価方法:
使用貸借又はこれに類する低額の使用料による貸与(借家権が生じていないと認められる場合)である社宅の敷地は、自用地として評価するのが原則です。賃貸借契約に基づき相応の賃料が授受されている場合は貸家建付地として評価します。
関係法令・通達
評価通達57-2及び該当する個別通達

太陽光発電敷地

重要度: 2 / 5
誤り事例:
太陽光発電設備を設置するために利用されている土地について、宅地として評価した、又は雑種地としての評価にあたり造成費用相当額の控除を行わなかった。
正しい評価方法:
太陽光発電設備の敷地は原則として雑種地として評価し、近隣の宅地等の価額を基に、その土地を宅地として利用するための造成費用相当額を控除する等の方法で評価します。
関係法令・通達
評価通達82(雑種地の評価)

鉄道の高架下の賃借権

重要度: 2 / 5
誤り事例:
鉄道高架下の賃借権について、一般の借地権と同様の評価方法(借地権割合の適用)を行った。
正しい評価方法:
鉄道高架下の土地は建物の建築に制限があるなど通常の宅地利用ができないことが多く、雑種地の賃借権に準じ、利用の制限内容や賃貸借契約の実態に応じた個別評価を行います。
関係法令・通達
評価通達87(雑種地の賃借権の評価)

売買契約中の土地

重要度: 4 / 5
誤り事例:
相続開始前に売買契約を締結していた土地について、売買代金請求権(債権)としてではなく、通常の土地の評価方法により評価した。
正しい評価方法:
相続開始時点で既に土地の売買契約が締結され、引渡し前に相続が開始した場合には、原則としてその土地は「未収入金(売買残代金請求権)」等の債権として評価する取扱いとなります(実務上は事実関係に応じた判定が必要)。
関係法令・通達
評価通達57-2及び該当する個別通達

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