- 誤り事例:
- 借地権の設定がある土地について、借地権を全く評価に反映せず、あるいは相当の地代を収受している場合と同様に評価額を算定した。
- 正しい評価方法:
- 借地権は、その宅地の自用地としての価額に、国税局長が定める借地権割合を乗じて評価します。地代の授受の実態(相当地代、通常の地代、無償等)によって別途の調整計算(相当地代通達等)が必要な場合があります。
- 誤り事例:
- 借地権と高圧線下の地役権など区分地上権に準ずる地役権が同一の土地に競合している場合に、いずれか一方の権利のみを考慮して評価した。
- 正しい評価方法:
- 借地権の目的となっている宅地の自用地価額から、その借地権の価額と区分地上権に準ずる地役権の価額の両方を適切な方法(重複控除に注意しつつ)で控除して評価します。
- 関係法令・通達
- 評価通達27-6(土地の上に存する権利が競合する場合の借地権等の評価)
- 誤り事例:
- 借家人が有する敷地に対する権利(借家人の敷地利用に係る権利)を評価対象から失念し、家屋のみを評価した。
- 正しい評価方法:
- 貸家の敷地に係る借家人の権利は、その敷地の自用地としての価額に借地権割合及び借家権割合を乗じて評価します(借家人が存する場合の敷地利用権相当額)。
- 関係法令・通達
- 評価通達31(借家人の有する宅地等に対する権利の評価)
- 誤り事例:
- 一時使用目的であることが明らかな借地契約についても、通常の借地権と同様に借地権割合を用いて評価した。
- 正しい評価方法:
- 一時使用のために設定されたことが明らかな借地権については、借地権としての評価は行わず、雑種地の賃借権に準じた評価(賃借権の残存期間等に応じた価額)を行います。
- 関係法令・通達
- 評価通達5、7-2及び該当する個別通達
- 誤り事例:
- 事業用定期借地権が設定された土地の底地評価に、通常の借地権割合をそのまま適用した。
- 正しい評価方法:
- 事業用定期借地権の目的となっている宅地は、一般定期借地権に準じ、権利金や保証金等の授受の状況、残存期間等を勘案した計算方法により評価します。
- 関係法令・通達
- 評価通達27-2(定期借地権等の評価)
- 誤り事例:
- 建物譲渡特約付借地権が付された土地について、通常の借地権と同一の評価方法を適用した。
- 正しい評価方法:
- 建物譲渡特約付借地権は、その残存期間や譲渡特約の内容を踏まえ、定期借地権に準じた個別の評価方法により評価する必要があります。
- 関係法令・通達
- 評価通達27-2(定期借地権等の評価)
- 誤り事例:
- 相当の地代に満たない地代を支払っている借地権付き土地について、通常の借地権割合をそのまま用いて借地権・底地を評価した。
- 正しい評価方法:
- 実際に支払っている地代の額が相当の地代に満たない場合には、「相当地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」に定める算式により、実際の地代の額に応じて借地権及び貸宅地の価額を調整計算します。
- 誤り事例:
- 通常の地代(相当地代に満たない範囲の地代)を支払っている場合に、地代の水準を検討せず自用地評価額をそのまま用いた。
- 正しい評価方法:
- 支払われている地代の水準(固定資産税等相当額程度か、相当地代に近い水準か)を確認し、その水準に応じて借地権割合の適用又は相当地代通達に基づく調整計算のいずれが適切かを判定します。
- 誤り事例:
- 転借権が設定されている土地について、原借地権と同一の借地権割合をそのまま適用して評価した。
- 正しい評価方法:
- 転借権は、その目的となっている宅地の自用地としての価額に借地権割合と転借権割合を乗じて評価し、転貸されている貸宅地(転貸借地権)は原借地権の価額から転借権の価額を控除する等の方法で評価します。
- 関係法令・通達
- 評価通達29(転貸借地権の評価)、30(転借権の評価)
- 誤り事例:
- 親族間で無償(使用貸借)により貸し付けている土地について、借地権が設定されているものとして自用地価額から借地権価額を控除して評価した。親子間・親族間の土地貸借は極めて発生頻度が高く、借地権割合(多くの地域で60〜70%)を誤って控除すると評価額が大幅に過小になるため、税務調査で最も指摘されやすい誤りの一つです。
- 正しい評価方法:
- 使用貸借による土地の借受けは、借地権に相当する経済的利益の授受がないものとされるため、その土地は自用地としての価額(借地権控除なし)により評価します。
- 誤り事例:
- 永小作権が設定されている農地等について、通常の賃借権や借地権の評価方法を用いた。
- 正しい評価方法:
- 永小作権は、その残存期間に応じて定められた割合を自用地としての価額に乗じて評価します(財産評価基本通達に定める存続期間別の割合を適用)。
- 関係法令・通達
- 評価通達43(存続期間の定めのない永小作権の評価)。存続期間の定めのあるものは相続税法23条
- 誤り事例:
- 地下鉄のトンネルや高圧線の架設等のために設定された区分地上権又はこれに準ずる地役権を評価に反映せず、自用地としての価額のまま評価した。
- 正しい評価方法:
- 区分地上権は自用地としての価額にその区分地上権の割合(土地利用制限の程度に応じた割合)を乗じて評価し、区分地上権に準ずる地役権はその承役地の自用地価額に地役権の設定契約内容に応じた割合(原則50%又は個別事情に応じた割合)を乗じて評価します。
- 関係法令・通達
- 評価通達27-4(区分地上権の評価)、27-5(区分地上権に準ずる地役権の評価)